トウモロコシのデンプンからエタノールやプラスチックを造ることが、いかにも環境にやさしいとのイメージで巷では語られていますが、その生産量や生産効率の面で問題があり、現在使用されている石油を原料としたものを置き換えられるレベルではありません。そこで、現在研究が進められているのが、セルロースからエタノールやプラスチックを造るという方法です。セルロースを微生物の力で糖質に変えて、そこからエタノールやプラスチックの原料を造り出すのです。
微生物研究グループの注力研究分野にそんな話が載っています。
セルロースからプラスチックを造ることができるようになれば、ABSなどのエンジニアリングプラスチックも、いずれはそのようなものへと置き換わっていくのでしょう。10年後ぐらいにはそうなっていて欲しいような……。
日経サイエンス2007年4月号の『現代からくり拝見』に、再生紙のことが載っています。そこには、「紙は、多くの水素結合によって繊維がしっかり固まったものであるが、再生紙は、再処理工程で脱インクや乾燥処理を通すと、その水素結合が失われてしまう。リサイクルを4~5回繰り返すと水素結合力が失われ、廃棄物になってしまう。」といったことが書いてあります。紙の繊維はセルロースですから、セルロースからエタノールやプラスチックを造り出せるようになれば、資源の有効利用につながります。
また、紙には、切手やラベル、シール、テープ、雑誌の背糊などの雑多な接着剤が付いており、これらの粘着剤を取り除くのが大変なのだそうです。さらに、古紙の分別も、現在は95%が手作業で行われており、コストがかかっているとも書いてあります。最近になって、古紙の自動分別機が実用化されて、この装置のセンサーを改良することで、コスト低減だけでなく、均質な古紙の供給を目指しているのだそうです。
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